漫画の実写化というのは本当に難しい。キャスト、脚本、監督、プロモーションなどなどが完璧でも、原作のファンは脳内妄想で凝り固まっているから、どうやっても万人を満足させることは不可能だ。
この映画は前編・後編で5時間近い大作だが、それでも駆け足になってしまって、残念な結果になった(と思う)。
前編はそれでもいい感じだったのだが、後編はひなちゃんのいじめ、川本家の父の帰還、後藤との対戦、宗谷名人との対戦と詰め込んで消化不良になってしまった。
この漫画って、零が勝ち進んでいって名人になるとかを描こうとしているわけではない(この後結果としてそういうことを描くかもしれないけど)んだから、そんなに急ぐことはなかったのにと思う。
急いだから、零以外の登場人物もみんな心に大きな穴を抱えていて、もがき苦しみながらそれを埋めようよじたばたしている姿が描けなかった。もがきながらいつの間にか明るい場所に出てきたことに感動する姿も描けなかった。
よりによって賀茂川で零がひなちゃんを探して走ってきたことや、新人王を取って放科部のみんなに祝福されて号泣したこととか、島田さんの故郷への想いとか、ここを削るかというエピソードがみんな落ちている。分かってないなあ。
前編・後編でアニメと同じでひなちゃんが高校に入るまでをじっくりと描けばよかったのに。

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