「タッチ」も半分を過ぎ、物語上では2年の春休みが終わっていよいよ最後の夏を迎える。最後の4か月を描くのに放映では1年かかったのだからスラムダンクもかくやだ。
第一部が終わったところで「浅倉南の呪い」って書いたけど訂正する。確かに(和也と)達也には、南を甲子園に連れて行ってという呪いがかかっているのだが、その呪いは和也の死によって回り回って南自身にもかけられているのではないか。
和也が死んでから達也が野球を始めて、2年の夏の地区大会で負けて、という第二部では、和也の霊に体を乗っ取られたように(人が変わったように)達也は地道なトレーニングを続け、南は平然と毎日を送っているように見えて実は和也のことを考え続け、互いに相手の気持ちがわかっているのに二人の間には和也がいるのでいつまでも煮え切らない付き合いしかできない。
あだち充は少女漫画の絵柄でラブコメの器を作って、その中で野球漫画を描くというひねり技をやりつつ、その実、南を甲子園に連れていけずに死んで成仏できない和也の霊に取り憑かれた達也と南の救われない気持ちを描く(そこに西村や新田由加が加わり)という超高度な漫画を描いている。
連載が終わって35年も経って、いい歳の僕がこんなに真剣に考察するとか、この漫画って。

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