2020年1月2日木曜日

不作為の恐ろしさ

人が死ぬと恐ろしいほど手続きがいる(らしい)。父が死んだときは母がまだ元気だったので、妹と二人で手続きをしたので僕はノータッチだった。その煩雑な手続きを妻は今ほぼ一人でやって悲鳴を上げている。
戸籍関係も面倒だが、いちばんは年金関連とか。遺族年金の申請書はほとんど嫌がらせのようにややこしい(らしい)。まあ遺族年金だけじゃなくて年金関連はそもそも無計画に増築工事を重ねた迷宮建築みたいなものだから、細部にわたって理解できている人はアドバイザーとして副業ができるのかもしれない。
亡くなった義父は古き良き時代の遺物として企業年金ももらっていたが、それは当然遺族にはひきつがれない。基礎年金も子供が大きくなった(というか中年)だから関係なし。あとは厚生年金の75%だけだ。この遺族年金は非課税なので所得税も住民税もかからない。
義母のこれからの収入は遺族厚生年金と自分の基礎年金なのだが、この基礎年金の金額が異常に安い。なんでだろうと思っていたが、高校卒業をして結婚をしてから86年の第三号被保険者の制度が始まるまで国民年金の掛け金を払っていなかったらしい。
86年といえばもう50歳前後だったから、掛け金を支払う義務がある60歳までの10年間と結婚前の何年間分しか払っていないので基礎年金の支給額があれっぽっちしかないわけだ。
昔は国民年金の掛け金の支払いの督促とかあまりなかったのかもしれないが、自営業者とその妻である僕の父母はずいぶんと嘆きながらも掛け金を納めていたのは子供のころ覚えている。銀行員だった義父が妻の掛け金を支払えなかったはずはなく、老後なんて遠い先だし退職金ももらえるのだから(結果としては銀行が破綻してもらえなかった)と楽観視していたのか、単に支払うことを忘れていたのか、単にケチだったのか今となっては分からない。
が、これからの義母の生活に大きな禍根を残したのは間違いない。それがたとえ月に4万とかもらえるもらえないとかであっても。
死んだ後にこういうことが発覚するって恐ろしい。いったいこれからどうしたものか。

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