実は情けないことに小遣いが減ったため、 新刊で本を買うことが少なくなった。繰り返すが、情けない。
とは言え、 僕と同い年という設定である合田雄一郎シリーズの最新刊が出たと 聞けば読むほかはない。
この本は形式としては当然ミステリーであり、 本当かどうかは部外者には知る由もないけどリアルな警察小説だ。
合田もすでに57歳で、 警察大学校で教鞭を取っているという設定だが、 12年前の未解決事件がひょんなことから再び動き出す。
物語は被害者の周辺の人々のそれぞれの視点から事件当時の記憶が 呼び起こされる、 さらにSNSなどでその思い出が共有されることでさらに記憶が呼 び起こされていく。
12年前のことをそんなに覚えているものだろうか? というのは野暮な発想だが、 ひとつの出来事が複数の視点から重層的に語られることによって圧 倒的なリアリティが生まれてくる。

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