合田は事件発生当時の責任者であったとは言え、 現在は現場を離れているわけだから直接捜査ができるわけではない 。
だから合田シリーズとは言え合田は狂言回しであるとも言える。
で、当然のことながら犯人は ということになるのだが、 なんとその種明かしはされないまま物語は終わりとなる。
普通に考えたら、犯人はほのめかしてはあるものの、 誰がどんな動機でとか一切触れられずに「完」 となったら文句も出そうなものだが、 そうならないのが高村薫のすごいところだ(いや、 普通に文句出ると思うけど、 そういう人はそもそもこのねちっこい文体に途中で投げ出している だろう)。
「土の記」を読んだ時にも思ったことだが、(近所だけど) 行ったことがない野川の辺り、( しかも市立中学や都立高校は実在している! モデル問題とは大丈夫かな) のあまりにリアルな虚構の世界にどっぷりとはまり込んで、 現実と虚構の区別がつかなくなってくる。 いやはやなんだかすごいものを読んでしまった。


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