2020年3月27日金曜日

白鳥の歌なんか聞えない

図書館が休んでいるので仕方なく昔の本を引っ張り出しているが、たまにはこれもいいものだ。
もはやほとんど蔵書はデジタル化されているのだが、残り少ない紙の本から庄司薫「白鳥の歌なんか聞けない」を。
40年近く前に買って何回も読み返しているが、「聞けない」じゃ「きけない」だよなって今さら気がついた。もちろん「きこえない」って読む(はずだ)。
時代設定は東大の入試が中止になった1969年の3月。まさに今の時期。今年は1969年と同じ曜日の並びで、春分の日が金曜日、土曜日、日曜日の飛び石連休(当時は土曜日は普通の稼働日だった)。早春の話だったよなあと思いだしつつ読み始めたけど、51年前の今日の話かと思うと感慨深い。
高校を卒業したばかりの男の子たちがタバコを吸ったり、飲酒運転を普通にしたりとかが時代を感じさせるけど、それ以外は違和感を感じないのはテーマに普遍性があるせいなのか、庄司薫のセンスが抜群なのか。
眩しいばかりに若い薫くんと由美ちゃん。もうすぐ70歳だ。二人のあれからの人生が幸せだったことを心から祈る。



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