小さくて凶暴な美少女が木刀を持って深夜に同級生の家に殴りこむという衝撃の幕開けのせいで大きく誤解されているけど(その後も暴力は振るうし、口汚く罵るのは確かだが)、実はとても繊細な心理描写が素敵な作品だ。さすが長井龍雪監督。
シングルマザーに育てられた母親想いの息子。彼は家計に負担をかけまいと大学進学を諦めようとするが、母親は進学費用を稼ぐために過労で倒れる。片や生活費は払うけどあとは知らん顔の父親(気に入らないとそれも止める)にネグレクトされている少女。母親は再婚し、妊娠中なので頼れない。
そういう家庭環境をバックグラウンドに、友達のために好きな相手から身を引こうとしている女の子とか入り乱れて後半はどんどん話がシリアスになっていく。
それでも二人が信頼しあうことで未来が開けていくことを予感させるラストシーンはよかった。

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